情熱の真空管のサイトで詳しく紹介されているが、ピンの配置が違うだけ、ヒーターの電圧が違うだけでずいぶんと安く購入できる、有名球と≒な真空管達がある。
12AX7なんか、どこにでも転がっている真空管だったのに、ジャンク品を別にすると、1K以下では中古でもお目にかかれなくなってきた。これについても、上述のように、ピンの配列が違うとか、12AX7は複合管だが、その1/2の球とか、廉価で購入できる類似球がある。

最近ふと気づいて入手したのは12SL7である。そう、6SL7のヒータ電圧6.3Vが12.6Vに変わっただけのやつ。
JAN(軍用規格)球でNOS箱入3本$15.99。送料を含めてまぁ、1本700円程度か。



そもそも6SL7とは、Hi-μ電圧増幅管であり、イコライザーに使用する場合はハムを避けるため、DC点火されるのを常としているようである。
よく考えれば、DC点火するならば、6.3Vも12.6Vも同じ。
そこで、これを調達しておいたのだ。


話変わって、トランスレスラジオというラジオをご存知だろうか?
B電圧をトランスを介さず直接商用電源(100V or 117V)から取り、使用球のヒーターを直列につなぐことによって、100Vで都合、下の回路だと3本のヒーターを暖めるという代物である。


トランスレスラジオならぬ、トランスレスギターアンプのような回路を見つけた。



出どこは、
Tube Amp Rebuild (and Mod): 14 Steps (with Pictures)



ような、と書いたのは、図のようにB電源用にT1があるのだが、OPTへの供給電圧130Vを見れば、こんなもん、省略してもかまわないだろう。


ここで注目すべきはヒータの取り扱いである。直列につながれたヒーター配線には、150Ω5Wの抵抗を噛まされているのだが、
これは電源電圧が117Vでの話であり、100Vの日本では不要となる。
すなわち、ここで使用されている真空管のヒータ電圧は12.6V、35V、50V=97.6Vという、117Vだと20%近く電圧が過剰だが、100Vならば3%以下の差異しかなく、商用電源で十分事足りる。だいたい真空管というものは5%程度のヒータ電圧誤差ならば許容されている。
それと、これらの真空管群は標準的なヒータ電圧6.3Vとは異なるため、廉価で取引されているのだ。
50L6は数十円〜300円程度の買値でかなりSTOCKができている。35V整流管も全波,半波を含めてやはりせいぜい1本100円〜300円程度でSTOCKができている。12Vの5極電圧増幅管はSTOKが無かったため、12SJ7を調達した。これは5本で$15.99+送料。ebayでなら調達は容易である。


後は、冷静な頭で考え直し、感電防止のため+B電源にはトランスを使用するとしても、かなり格安なギターアンプが作れる予感である。


ちなみにこの回路、FENDER CHAMPの亜流である。



CHAMPがトランスにヒーター巻線を持つ代わりに、117Vでヒーター点火させてコストダウンを図るため、すべての真空管が違う。+B電源電圧も違う。が、まぁ、亜流である。


このアンプの改善事例として、こんな回路が紹介されている。



昔は良質なコンデンサが調達できなかったため、Fender Champと比較すると、このアンプの原型ではすでにその辺を強化されているのだが、さらにその値が、現在入手が簡単な値に置き換えられている(40→47とか)。それと、
多少音色の変化を楽しむための工夫としてSW2にぶら下がるCが用意された。



前にも述べたが、私が製作したギターアンプ1号機はゲインが高すぎるのだ。
こいつに作り変えようと思っている。


あ、このアンプの原型はこれです。